2012年10月31日水曜日

Reese『Reese Vs. The World 2』

先行で公開されていた「Molly」から想像してたイメージが、良い意味で裏切られた感じ。スクリューが入ってホラーチックになっている「P.S.A.」、Pharrelによる凝ったリズムが印象的な「Dope Dealer」、クラウド・ラップ風の「4THENIGHT」、メロウでソウルフルな「Girls Around The World」等々。全12曲とミクステにしては絞った曲数ながら、バラエティに富んだ内容になってます。ちなみに「Girls~」はTwista『Reloaded』にも収録されていて、こちらが完成バージョンだそう。

2012年10月30日火曜日

Various Artists『Meet Da Plugg 5(Chi-Town Edition) Hosted By Tree』

インディで活動しているアーティストのコンピレーション『Meet Da Plugg』シリーズの第5弾。今回はシカゴのグループ「Project Mayhem(『ファイト・クラブ』に出てくるテロ計画ではない…)」のメンバー、Treeが監修。シカゴの最近リリースされた音源が集められている模様。Mikkey Halsted以外は全く知らないアーティストばかりですが、最近注目を集めてる地域だけあり、ラップもトラックも面白いのが多くて楽しい。未知の世界に足を踏み入れている感覚に、思わずワクワクする。最新のTreeのソロ音源も収録。

2012年10月29日月曜日

Trouble『SCOOBStrumentals』

Troubleの新作はフリースタイル集。Jay-Z、Lil Wayne、Drake、Rick Ross、Future、2 Chainz、Chief Keef辺りのビートをジャック。最近、ビートジャック中心のミクステにはあまり触手が動かなかったというか、チェックしても面白いと思うことが無かった(この前のRick Rossのヤツとか)のですが、これは普通に良いと思いました。「Lord Knows」のファスト・ラップには痺れた。Troubleのラップのカッコよさを再確認。

2012年10月28日日曜日

ARGO





















ゴーン・ベイビー・ゴーン』『ザ・タウン』に続く、ベン・アフレック監督作。この作品で完全に役者としてだけでなく、監督としてのベン・アフレックの評価も確固としたものになったのでは。早くもアカデミー賞の有力候補とのウワサもありますが、それも十分頷けるほどの力作。

前半は、架空の映画を製作する裏側を見せる中で、ハリウッドの映画製作の裏側を見せるという入れ子構造&セルフ・パロディ的な展開。この辺りは『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』を連想させる。映画プロデューサー役のアラン・アーキンと、特殊メイクの専門家役のジョン・グッドマンの2人がふてぶてしいハリウッドの業界人を好演。

舞台をイランに移した後半は一転して、カナダ大使公邸に半ば閉じ込められた6人の外交官の人間ドラマと、脱出作戦を巡るイラン革命防衛隊との緊迫したやり取りの連続というシリアスな展開。「映画を盛り上げよう」という狙いが透けて見える場面はいくつかあるものの、外交官を演じた6人の演技が素晴らしく非常に見応えあり。観客の焦燥感を煽る演出も上手い。

「ストーリーがイランを悪く描きすぎではないか」という批判もあるようですが、アメリカの外交のやり口も映画の中で説明されているのでそこは問題ないかと。また「ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)」がこの映画のテーマではないので、批判自体が的外れなようにも感じる。

2012年10月25日木曜日

The Ill Spoken - Paid Dues(The Reunion)

Mac Miller君と同じピッツバーグ出身のラッパー、Beedieの2人によるグループ・The Ill Spokenがこのたび再結成(Reunion)、新曲を発表。再結成というのは、どうも2人が本格的にソロになる前、このグループで活動していた模様。 どうせならミクステか何か、まとまった音源が出るといいなー。



この曲を聞いてちょっとwebで検索をして驚いたのは、Beedieのようなそれ程ビッグでもないラッパーでも、ちゃんとwikiが存在していたこと。自分もミクステを聞いたことはあり、名前は知ってたけどもwikiがある程とは…。USのラップ・シーンは、やっぱり色々と規模が違うなあ。

あとMac Miller君といえば、Larry Fisherman名義でのトラック・メイキングを含めた活動など、最近活動が活発でファンとしては嬉しい限り。最近のこれもビデオ含め素晴らしいっす↓

2012年10月24日水曜日

Main Attrakionz『Bossalinis & Fooliyones』

遂にフィジカルでリリースされたMain Attrakionzのデビュー・アルバム。Bandcampで音源を聞いたり買ったりしていたアーティストが、(iTunesだけじゃなく)フィジカルでリリースしたという事実が少し感慨深くもあり。自分が知る限りではこれが初めての例ですが、他に誰かいるんだろうか。

まずは、とりあえずCDになったということで音が格段に良い。特にキックとベースの音がよく鳴ってる。これだけでもフィジカル・リリースの価値はあるのでは。音のバランスも整えられていて、かなり聞きやすい。

Main Attrakionzといえば「クラウド・ラップ」の括りで語られているし、実際アルバムにもそうした耽美な曲が多く収録されている。ただ今作では他にも、バンバータのようなエレクトロや、生ドラムを使用したものなど、多様な曲が収録されている。

そして意外なところでは、Brick SquadからGucci Maneが参加。アルバムの中でも浮くことなく、しっかりはまっている。どういう繋がりかは不明だけども、フィジカル・リリースということで大物を呼んだのか。「クラウド・ラップ」一辺倒のイメージから逃れたかった、というのもあるかもしれない。おなじみのメンツの中からは、Shady Blazeが1曲客演している。Metro Zuも1曲プロデュース。

MondreM.A.N.とSquadda Bの2人のラップもばっちり。「クラウド・ラップ」という枠を超えて、普遍的なカッコよさを備えた素晴らしいデビュー・アルバムになっている。


2012年10月23日火曜日

Action Bronson - The Symbol

 

アクション・ブロンソンの次のミクステ『Rare Chandeliers』からのファースト・カット。プロデュースはアルケミスト!60's~70'sにあったようなドラマ・映画仕立てのビデオになっていて面白い。ムダに手が込んでる笑。『スーパーフライ』のようなブラック・ムービーっぽい胡散臭さがいい味出してる。どこかに元ネタがありそうですね。チープな金髪のカツラを被って暴れまわるアクション・ブロンソンは、ジャック・ブラックかミートローフかジョン・グッドマンか。ミクステも非常に楽しみであります。

2012年10月22日月曜日

Mr. Muthafuckin eXquire『The Man in the High Castle』

本人のツイートによると、ミクステのリリースにレーベルが抵抗した模様。「they hate me to rap」とな…。ミクステがUSのシーンにおいて重要なプロモーションになっている現状を分かってないはずはないんですが。何はともあれリリースできて良かった。iTunesにファイルを取り込むと、ジャンルが「Passion」になってた。アツいね。ダウンロードはこちらのページから。

タイトルはフィリップ・K・ディックの小説『高い城の男』の引用。ジャケはJ・G・バラード『沈んだ世界』での、水の底に沈んだ世界の都市の風景を思わせるイラスト。SF好きなのか、ひょっとして。

クールという言葉がしっくりくる、抜群のラップスキルとドスのきいた低い声。誰が言ったか忘れましたが、ビギーの再来というのも頷ける。来月にはEPがリリースされるとのこと。これまで関わってきたEl-Pがプロデュースしてるっぽいんで、かなり期待してます。


2012年10月21日日曜日

The Ghost Writer





















以前Blu-rayで(人の家にて)鑑賞したものの、もう一度観たくなって今度はDVDで再度鑑賞。やっぱり、Blu-rayの方が断然映像は綺麗だな…当たり前だけど…。

登場人物、ロケーション、台詞や音楽といった映画の構成要素が最小限に抑えられた演出。ストーリーは淡々と、しかし緊張感をもって進んでいき、ラストのカタルシスへと向かう展開はお見事。ムダのない映画は観ていて心地いい。改めていい映画だなと。

イラク戦争後のイギリスを模した脚本も素晴らしい。ピアース・ブロスナン演じる元英国首相・ラングは間違いなくトニー・ブレアをモデルとしているし、軍事産業の会社として「ハリバートン社」ならぬ「ヘザートン社」が登場、ライス元国務長官そっくりの役者がラングと握手するシーンも。「もしも政治がこうした仕掛けで動いていたのだとしたら…」という、一種のパラレル・ワールドになっている。当然、監督・脚本をこなしたロマン・ポランスキーのイラク戦争に対する批判も込められてます。

しかし主演のユアン・マクレガーは、歳を取るごとにますますカッコよくなっていきますね。同年に公開された『人生はビギナーズ』も素晴らしかった。コンスタントに話題作に出演しているし、ここ数年で最も安定して活躍している俳優の一人ではないでしょうか。

2012年10月20日土曜日

JGREEN『Fvck Mainstream Codeine Funk』

SpaceGhostPurrp率いるRvidxrKlvnから、そのSGPともビーフのあったJGREENの新作。リリースの時刻をツイートしてから、ずっとiPhone片手に待ってました(予告の時刻からは随分遅れたけども…)。前作の『Da Caper 2』は『ダークナイト』のジョーカーやピエロをあしらったおどろおどろしいジャケでしたが、今作も微妙にチープな雰囲気がかなり妖しい…。

Yung SimmieやDenzel CurryなどRvidxrKlvnのメンバーに加え、Juicy J、DJ Paul、Project Patも参加。意外なところでは2Chainzも参加してる。トラックはSGPがゴシックならばこちらはホラー、といった感じで、趣の違う暗さが魅力的。不気味さを醸し出すスクリューの色濃いプロダクションと、甲高い声のJGREENのラップの対比が堪らない。ちなみにタイトルの「Codeine」とは、咳止めシロップなんかに入ってるドラッグのこと。紫(パープル)のジャケも加味すると、まどろんだドロドロのファンクってところでしょうか。


2012年10月19日金曜日

Frenchie『Concrete Jungle 2』

昨日はBrick Squadから、Gucci ManeとFrenchieのミクステがダブルリリース。Gucci兄貴による肝心の『Trap God』は残念な出来だったけれど、Frenchieは逆にバッチリ。一つ前にリリースしたミクステ(確か『French-Elo Anthony』だったかな?)がイマイチで残念に思った記憶があるのですが、今回はラップもトラックもキレキレ、かつ凶悪。客演ではLil ReeseにFredo Santanaと、最近乗ってるノッてるGBE勢をしっかり拾ってる。トラックの方も、Lil ReeseやSDをプロデュースしてるYoung Chopが1曲提供。Southside On The Trackは平常運転。

2012年10月18日木曜日

Wiz Khalifa『Cabin Fever 2』

Wiz Khalifa、ニュー・アルバムの『O.N.I.F.C.』が延び延びになっている間に、ミクステをリリース。Wizのクルー、Taylor GangのメンバーになったJuicy Jが参加してますが、まだ若干の違和感を(ボクは)感じてしまう…。この間ミクステ『Welcome To Mollywood 2』をリリースしたコンプトンのラッパー、Problemが5曲も客演してて、やっぱり最近の注目株なのだなと再確認。要チェック。

ミクステ自体は、Wizのラップをたっぷり堪能できて最高。そういえば先日FADERに、Taylor Gang所属のプロデューサーであるCardoのインタビューが載っていて、そこでDJ Quikからの影響を公言してて一人納得。あのスムースな感覚はそこから来てたのかと。あと今作は各トラックでプロデューサーのクレジットがなく、全体でTaylor Gang Musicとしてのみクレジットされてるのは、前作のbugseedの件が関係してたりするんでしょうか。

2012年10月17日水曜日

Neako『Ess Ess』

xclusiveszoneの記事によると、来月iHipHopからデビューするみたいですね。iHipHopから出るコンピレーション『A3C, Vol. 2』に参加してるのは把握してたんですが、デビューまでは知らんかった。このミクステはそのデビューアルバムの前哨戦的内容。ゲストにYoung Lが参加してるけど、久々に名前を見た気がする。カラフルなシンセの音色と、3D映画のような奥行きあるプロダクションが相変わらずカッコいい。この内容で、なんでScoreがイマイチ伸びないんだろうか…。

2012年10月16日火曜日

Big Lean『Young Oldhead』

アトランタのラッパー/プロデューサーの新作(といってもリリースは1カ月ほど前)。彼のTwitterを覗いてみたら、名前がカタカナで「リーンビッグ」だったり、プロフィールに「Young Goku」とか「フローのマスター」とか、bandcampのURLに「道場」って銘打ってあったり色々怪しい笑。日本にいた事があるのか、Wu-tangでいう少林寺みたいな感じなのか。音はちょっと前のJetsや、ピッツバーグのラッパーのレイドバックした感じに近いです。ラップもなかなかカッコいいっす。

2012年10月14日日曜日

Joey Bada$$『1999』

超今さら感のあるミクステですが…。聞いていく内に第一印象がひっくり返されることはちょこちょことあるんですが、これはその好例(まあ、好例と言っていいかどうか苦笑)。

最初聞いた時はそれ程ピンとこなかったものの、『K.O.N.Y.』でのラップがカッコよくて聞き直してみたら凄くよかった。この間Chuuweeのモロ90'sなミクステを聞いた影響もあるかもしれない…。ラップもさることながら、Chuck Strangers、Bruce LeeKixのPro Eraメンバー製作のトラックもクオリティ高い。

去年はReksがプリモprod.の曲出したりして、いよいよ90'sリバイバルくるかと思いきや、それ程でもなかったという印象。このミクステを聞くと、Pro Era勢をなんかをきっかけにこれから起こったりして、なんて想像も。こういう流れは、複雑になりすぎたプログレからストレートなR&Rに回帰したパンクの流れに、少し似ている。長い歴史をもったジャンルは、必ず通る道なのか。

2012年10月13日土曜日

TOSHI蝮『Blue Cheeese』

「まず最初に  金の為のGAMEじゃない  尊敬を獲る為でもない」という宣言で高らかに幕を開ける、TOSHI蝮の1stソロアルバム。

去年リリースのMIX CD『THE CHRONIC-L』でも感じた通り、実力も個性もあるMCが群雄割拠状態のネオ東海の中ではクセがないというか、正統派のMCという印象。「現場叩き上げ」を自称するだけあり、確かなスキル、そして固いライミングが持ち味。しっかりリリックの聞こえる、小気味いいラップが耳に気持ちいい。

Ramza、C.O.S.A.、Mr.蓮、鷹の目など東海地方のトラックメイカーを多く起用した、多彩なトラックも良い。スモーキーな「I Just Wanna」「Empty」、ダークなエレクトロの「FREE B」、鷹の目による狂乱のパーティートラック「Green Cartain」、サンプル早回しのセンチメンタルな「RISK」等々。

ストリート、ドラッグ、ラップゲームなど言うならば「ありがち」なトピックが語られているが、TOSHI蝮のラップは、そこに現状への憤りに怒り、孤独感や切なさといった「剥き出しの感情」を感じられるのが、大きな魅力になっている。「I Just Wanna」での「裏で静かに握られる弱み そんな小さな世界 俺は抜け出す」というラインや、『THE CHRONIC-L』にも収録されていた「Empty」の「柵の世界GOOD-BYE  幸せに変えたいTONIGHT」というフックは、特に心に残った。

TOSHI蝮に限らずネオ東海のMCの言葉に感じる生々しさは、東京や他の地域のMCの言葉とは一味違うように思う。ひょっとすると他所にいる自分が「東海」という世界を理想化し、オリエンタリズムを感じているだけかもしれないけれど、それでももっと多くの人(日本語ラップリスナーなら尚更)に聞かれるべきだと思う。


2012年10月12日金曜日

Kingpen Slim『Triple Beam Dreams』

Styles Pとの共演曲「Dead」を聞いてちょっと引っ掛かったのでチェックしてみたら、かなり器用なラッパーでちょっとびっくり。その「Dead」では、Styles Pも顔負けの粘っこいフロウでラップしたかと思いきや、続く「Yeah Dat」ではハードなラップを平然とやってのけてる。現地でも「versatile(多才な、何をやらせてもうまい)」みたいな評価を受けてるみたい。フックにド派手なVo入れてる曲もあるけど、活き活きしたラップが聞ける「Can't Stop Me」みたいな曲のが個人的には好き。Jim JonesやClipseのNo Maliceも客演で参加。ダウンロードするならこのページから。
 

2012年10月11日木曜日

Chuuwee『Wild Style』

サクラメントのMC、Chuuweeの新作。タイトルが『Wild Style』だったり、XXLの特集で自ら「オールドスクールの黄金時代」への回帰を語っているだけあり、サウンドはかなり90'sチック(まさかのLarge Professorが1曲プロデュース)。まあ、『Wild Style』は80'sだけど。ラップも上手く、「it's like that yo」や「put it on」みたいな懐かしいタームも聞こえてきます。「Float On」がERA「Feel」と同じネタで、ちょっとドキッとする。

2012年10月7日日曜日

アウトレイジ ビヨンド





















先代の会長を謀殺し、政界にまで影響を与える程に山王会を大きくした加藤(三浦友和)と石原(加瀬亮)。そんな加藤と石原のやり方に不満を持つ古参の山王会幹部。警察上層部の意向で、山王会を潰そうと目論むマル暴・片岡(小日向文世)。山王会と同盟関係にある、関西を拠点とする暴力団・花菱会。そして加藤と石原に組を潰され、子分と恋人を殺された昔気質のヤクザ、大友(ビートたけし)。

それぞれの狙いが複雑に絡み合うストーリーは、北野映画の影響を公言しているジョニー・トーの『黒社会』や、日本ヤクザ映画の金字塔『仁義なき戦い』シリーズを想起させる(前作~今作と大友のキャラクターを見るに、『仁義なき戦い』の広能昌三と置き換えることは可能だと思う)。闇社会に張り巡らされた権謀術数の数々や、ドロドロの人間関係の描写を中心に映画は展開、そこに前作から引き継いだ目の覚めるような暴力シーンが加わる。映画としての完成度・見応え共に、今作が上だと思う。エンターテインメント性も、これまでの北野映画で最高レベル。最近観た映画の中では、ずば抜けて面白かった。

出演者で印象的だったのは小日向文世、松重豊、塩見三省、桐谷健太、新井浩文。小日向文世演じる片岡は、間違いなく今作(そして劇中で描かれる謀略の数々)の主役。その片岡のやり方を批判的に見つめる同じマル暴・繁田役の松重豊は、少ない台詞ながら渋い存在感。塩見三省は花菱会の幹部・中田を演じ、スクリーンに映るだけで観客を威圧。桐谷健太と新井浩文の2人は、若くて青いチンピラの嶋と小野を好演。この2人はもうちょっと観たかった。5人も挙げてしまったけどまだ挙げ足りないくらいで、そのくらい役者が光った映画だったと思う。また、『その男、凶暴につき』『HANA-BI』など北野映画でおなじみの白竜が、脇役ながら戻ってきたのも嬉しい。

2012年10月6日土曜日

Hoodies『Hoodies EP』

若干やっつけ仕事にも見えるような、荒い画像のコラージュによるジャケットにまずやられた。次はローファイだけど、それが故にちょっとサイケっぽさを感じるトラック。そして、言葉の組合せの面白さとその「ゆるさ」が魅力的なラップ。ラップについては、ERAやD.U.Oを初めて聞いた時に近い感触。スチャダラパーにも近いかもしれない。ジャンルは全く違いますが、90年代にPavementが出てきた時はこんな感じだったのかなあと想像させる雰囲気。

Seminishukeiのブログによると、Hoodiesは平塚デコーダーとIsehara Kaido Boysのメンバーがやってるんですね。ここでもヒップホップとハードコアの親和性の高さが。平塚デコーダーの方はカセットがリリースされてるのをユニオンで見て、サ上(多分)が絶賛してたのを思い出したものの、結局買わずじまい。今はototoyからデータでも買えるみたいですね。こっちもチェックしてみよう。


2012年10月4日木曜日

JR Writer『ET: Extra-Terrestrial Musik』

延期されていたJR Writerの新作が、ようやくリリース。ディップセットのメンバーらしくゴリゴリというよりも、チャラいというかイケイケな内容。カッコいい。タイトルの「Extra-Terrestrial」は、「宇宙人」「地球外生物」の意味。ジャケットのタイトルそのまま直球な感じは、この人達っぽいと思いました。クルーからJim Jonesと40 Calがそれぞれ1曲だけ参加。久々にCD棚からJuelz Santanaでも引っ張り出して聞くかー。

2012年10月3日水曜日

Smoke DZA『K.O.N.Y.』

The KushedGod is Never Late!プロデューサー陣はSki Beatz、183rd、Kenny Beats、Harry Fraud等、Smoke DZAのこれまでのキャリア振り返りのようなメンツ。ゲストも常連のBIG K.R.I.T.を始め、Fat Trel、Joey Bada$$(ここでJ Dillaのトラック使うとかアツイ!)、A$AP Twelvyy、Vado、Ab-Soulと、フルアルバムさながらに豪華。Harry Fraud全面プロデュースの『Rugby Thompson』を聞いた時も同じことを感じましたが、Smoke DZAは出てきた頃のレイドバックした感じからは少し距離を置いて、徐々に尖った音へシフトしていってますね。Ski Beatzのトラックが入ってる辺りは、まだ今は過渡期なのかも、と考えてみたり。

2012年10月1日月曜日

Boaz『Bases Loaded』

BSMやGBE辺りの尖った音ばかり聞いてたせいか、最近聞いたミクステではこれが結構お気に入り。前作の『Transition』はあまり響かなかった記憶があるのですが、もう1回聞き直してみよう・・・。トラックは前作と同じようなメンツに加えて、Mac Miller君のトラックを手掛けてるID LabsやStatik Selektahが参加。客演ではSchoolboy Qがラップし始めた瞬間に空気を一変させてて、さすがの存在感。Wizも華があっていい。