以前Blu-rayで(人の家にて)鑑賞したものの、もう一度観たくなって今度はDVDで再度鑑賞。やっぱり、Blu-rayの方が断然映像は綺麗だな…当たり前だけど…。
登場人物、ロケーション、台詞や音楽といった映画の構成要素が最小限に抑えられた演出。ストーリーは淡々と、しかし緊張感をもって進んでいき、ラストのカタルシスへと向かう展開はお見事。ムダのない映画は観ていて心地いい。改めていい映画だなと。
イラク戦争後のイギリスを模した脚本も素晴らしい。ピアース・ブロスナン演じる元英国首相・ラングは間違いなく
トニー・ブレアをモデルとしているし、軍事産業の会社として「
ハリバートン社」ならぬ「ヘザートン社」が登場、
ライス元国務長官そっくりの役者がラングと握手するシーンも。「もしも政治がこうした仕掛けで動いていたのだとしたら…」という、一種のパラレル・ワールドになっている。当然、監督・脚本をこなしたロマン・ポランスキーのイラク戦争に対する批判も込められてます。
しかし主演のユアン・マクレガーは、歳を取るごとにますますカッコよくなっていきますね。同年に公開された『
人生はビギナーズ』も素晴らしかった。コンスタントに話題作に出演しているし、ここ数年で最も安定して活躍している俳優の一人ではないでしょうか。