2014年1月31日金曜日

The Place Beyond The Pines

前半のライアン・ゴズリング演じる腕利きのバイク乗りで銀行強盗のルークや、ブラッドリー・クーパー演じる名家の出の警察官・エイヴリーのエピソードは全て前段に過ぎず、後半の2人の子供の件で前半の伏線が回収されていく。個人的に最近コーマック・マッカーシーの著作を読んでいたこともあるが、こうした映画を見てしまうと、人間には生まれもった役割や運命といったものがあるのだろうかと考え込んでしまう。主演の2人はもとより、『ジャッキー・コーガン』や『アニマル・キングダム』での怪演が記憶に新しいベン・メンデルソーンや、『クロニクル』でのアンドリュー役が素晴らしかったデイン・デハーンも好演。特にデイン・デハーンについては、独特の繊細な雰囲気と存在感が圧倒的。今後の出演作も要注目。


2014年1月28日火曜日

Step Brothers『Lord Steppington』

昨今の日本語ラップはサウンド面での目まぐるしい刷新が目立つが、去年のFla$hBackSが証明したように、必ずしも新しいサウンド=カッコよさとは限らない。同僚(アイドル大好き青年、日本語ラップはほとんど聞かない)が、Fla$hBackSのことを「オールドスクール」と評していたのは結構客観的な意見だと思う。要するに、カッコいいビートとラップがあれば問題ないのだ。AlchemistとEvidenceという旧知の2人が組んだこのアルバムにも、同じことが言えるように思う。Alchemistによる骨太のビートに、Evidenceを始めAction Bronson、Styles P、Roc Marciano等の手練のラップが乗るだけで十分。それ以上余計なものは必要なし。XXL Magazineがこのアルバムを、オリジナリティは「L」にも関わらず、総合評価として「XL」としていたのも頷ける。ベテランの2人による、納得のクラシック。


Neil Young『Live At The Cellar Door』

発売はちょっと前ですが、内容はめちゃくちゃ良いのでご紹介。タワレコに別の商品を買いに行った所たまたまコレを見つけて、なんとなく買ってみたら凄い良かった…やっぱり店舗の魅力ってネットには無いこういう偶然の出会いだよなあ、としみじみ。肝心の内容ですが、名盤『After The Gold Rush』リリース後のワシントンDCでのライブを収録したもの。バックバンドなしのシンプルな演奏に、Neil Youngの繊細な声が沁みます。時代は前後しますが、聞いていて曽我部恵一の『shimokitazawa concert』(こちらも名盤!)を思いだしました。Neil Youngのメロウなサイドを堪能できる1枚。


2014年1月11日土曜日

GRAVITY

単なる宇宙空間からの脱出劇に収まらず、人類は何処から来たのか、人はどう生きるべきか、そもそも人生は生きるに値するものなのか、神とは何か、等の壮大なテーマが映画の柱にあり、それらを下支えする形で映画史上に残るレベルのVFXや音響効果が使用されている(その逆ではない)。NASAの管制室の声を演じた俳優やエンド・クレジットのスペシャル・サンクス欄に載っている人名を見れば、過去の映画へのリスペクトも明らか。『トゥモロー・ワールド』と本作で、アルフォンソ・キュアロンの名は映画史に永遠に刻まれたに違いない。


2014年1月9日木曜日

Bushmind『Midnight Wander』

あけましておめでとうございます。前回の投稿から4カ月弱(何ということだ…)、今年は定期的に更新できそうな予感がします(あくまで予感です)。今回は年末年始で実家に帰ったついでに、大阪のEBBTIDE RECORDSさん(いいお店!)で買った1枚。買おう買おうと思いつつ気がついたらWENODで売り切れてて買えなかったので、タイミング的にばっちりでした。内容ですが、Bushmind自身が手掛けた楽曲やそのリミックスで構成されたMIXとなっていて、これがもうなんというか、「サイケデリック・Bボーイ」という言葉をそのまま音にしたような仕上がりで、もう最高としか言いようがない。先述の通り自身の楽曲を収録しているので、今作が1st、2ndに続くBushmindのベストアルバムという言い方も出来るかもしれない。晴れた日の朝、出勤や通学のBGMに最適。