2011年10月8日土曜日

『ザ・ファイター』挫折や失敗を経てこそ分かる物語


一応今年のアカデミー賞で主要2部門受賞してた
んですが、震災や原発など色々あったせいなのか
あまり話題にならないまま公開終了してましたね、
『ザ・ファイター』。

ボクは公開直後に観ました。池袋東急で観ましたが、
客が20人くらいしかいなくて、一緒に観た彼女と2人
愕然としてました。

ただ内容はすこぶる面白かった。
劇場で観なかったヤツは損したぞ!

ストーリーは超ざっくり言うと「『ロッキー』+家族愛」
みたいな感じですが、兄貴役のクリスチャン・ベールが
完璧にジャンキーになってたり、『魔法にかけられて』
でお姫様だったエイミー・アダムスが180度変わって
ビッチになってたり、アメリカにクラックが蔓延してた
時代をリアルに描写してたり、ディティールが冴えてた。

一番好きなシーンは、ドン底に落ちた2人の兄弟が這い上がる為にボクシングを再開する場面なんですが、
BGMがレッチリの「Strip My Mind」なんです。レッチリが幾度もボロボロになりながら復活してきたのを
思い出して、相乗効果で泣けてくる。音楽担当グッジョブ。

で、実はボクはこの手のサクセス・ストーリーは苦手でした。
どうせ最後はハッピー・エンドで終わるんだろうし何か安易だなー、とか小馬鹿にしてました。
今思い出すとあまりに中二病全開で恥ずかしい限り。

でも歳を取って、人並みに挫折や失敗を経験・繰り返してきた目で見ると、もうホントに全然違う。
これまでの自分の挫折や失敗があるからこそ、そうした境遇に置かれた主人公達に自分を重ねてしまう。
そしてそうした壁を果敢に乗り越えていく彼らの姿は、自分が現実に向き合う力をくれます。

「歳を取ると涙もろくなる」とか言いますが、こういうことなのかなー。
感情移入しちゃうポイントがどんどん増えていきますね。

『ザ・ファイター』、今週からレンタル始まっていて、もう既に借りて1回観てまた泣きそうになりました。
返却までにもう1回は観て、多分また泣きそうになる。

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