2011年9月8日木曜日

【レビュー】The Rapture - In The Grace Of Your Love





















ラプチャーがDFAに戻っての4作目。

プロデューサーはDFAの2人!ではなくCassiusのPhilippe Zdar(読み方が分からない)。
話はそれますが、もうDFAの2人のコンビは見られないのでしょうか・・・。

一聴して分かりますが、2ndのポストパンク臭はもはや皆無。
3rdの路線を継承・強化した形です。

シンセが強調されたニューロマの影響が色濃い楽曲があったりしますが、
この辺Friendly Firesの2ndと似てますね。

完全に2ndや「House Of Jealous Lovers」の時期とは別のバンドと考えた方が良いかも。
最後まで変わらなかったLCD Soundsystemとは真逆ですね。

メロディは抜群にポップで、前編に渡ってルークがとにかく歌い上げる。
アルバム前半のハイライトであるタイトル曲「In The Grace Of Your Love」は強烈!
ルークのファルセットが炸裂してます。

中盤少し息切れしますが、最後の2曲は名曲。

「How Deep Is Your Love?」は、タイトルからも想像できる通り、デトロイトテクノ・ハウスな
ピアノのフレーズとハンドクラップが印象的。

そしてラストの「It Takes Time To Be A Man」、これはまさかのソウル!
意外な締め方に度肝抜かれました。

月並みな言い方をすると、ラプチャーに実験的な要素を求める人を突き放し、
ポップな要素を求める人を惹きつけるアルバムだと思いました。

前述したようにニューロマ・デトロイトテクノ・ハウス・ソウルなどの影響を感じさせる
複合的な音を出しつつも、印象として残るのはそのポップさであると。

ただ、そもそもラプチャーが実験的なバンドだったかと言えばそうでもないので、
3rd~今作でこのバンドの本質が露わになったと捉えるのが正しいと思います。

DFAの2人との共同作業のような所もありましたし、「Love Is All」のようなどポップ曲も
ありましたしね。

個人的にはラストの曲に至った時のカタルシスが最高すぎます。
もっとこの気分に浸っていたい、と思える傑作です。