2012年5月5日土曜日

CHIEF ROKKA - In My Life

















今年リリースされたECDの『Don't Worry Be Daddy』やMINTの『ミンちゃん』から聞こえる、日本語
ラップ界のビッグネームによる現行USの最先端に接近したサウンド。こうした動きはAkloやCherry
Brownのようなアーティストの台頭や、ミックステープの文化がシーンに完全に浸透した事が背景に
あるのは間違いないでしょう。

CHIEF ROKKAも、今作でこれまでの衣装を脱ぎ去ってUSのサウンドに接近。韻踏合組合の近作
『前人未踏』ではそうした方向性は皆無だったにも関わらず、です。派手な四分打ちのトラックや全体
に滲むエレクトロ色、バウンスする剥き出しのビート、オートチューンにゲストボーカル、そしてここにも
Lil'諭吉!!

ラップに関しては文句なし(あるわけない!)。滑らかなフロウ、洒落た言葉遊び、ライムによって生ま
れるグル―ヴ、2人のマイクリレー。韻踏関連の作品に必ずある、ラップという表現方法自体の面白さ
がここにも。韻踏の4人のラップは、リリックが分からなくても聞いてるだけで楽しくなる。

安全地帯に留まる事を良しとせずに新境地に飛び込んだベテランのチャンレンジは、吉と出ました。
進化を止めない限り、日本語ラップはこれからもどんどん面白くなる。ひょっとすると数年後には、この
2012年が「日本語ラップがサウンド面でブレイクスルーしたターニングポイント」となっているかもしれま
せんね。